最近流行りのRPAとは
今年で休刊が決まった日経ストラテジー。確かに最近惰性で読んでたが、気になったのがあった。
2017年5月号集が組まれたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。
wikiによると
ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation, RPA)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能等)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取組みである。人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている。 ロボティック・プロセス・オートメーション - Wikipedia
なんか、最近流行りのAI、ディープラーニング、IoT、ロボットなどを想像させるその用語から、また新しいバズワードかと思ったが、記事を読んでみると、
Oracle Functional Testing(OFT) に毛が生えた感じやん。
というのが第一印象。
OFTを知らない人向けに説明すると、Seleniumに毛が生えた感じといえばニュアンスが伝わるだろうか。
ようは、GUIの自動テストツール。
当ブログでは、OFTの記事をちょこちょこ書いているのですが、もともとはE2Eの自動テストのためのツールって、テストだけだと勿体無いから、テストツールを使って業務を自動化するという使い方はよくある話。
じゃぁ、何が違うの。
この記事で紹介されているRPAは少し進化している。
- Web以外のアプリケーション全てに対して動作を自動化できる
- 各アプリケーションの操作をノンプログラミングで記述できる
- 各アプリケーションをシームレスに繋いで、処理を条件分岐できる
例えばCRMで、新規登録された顧客マスタを、販売管理システムに手動で連携するとかのケースではないだろうか。(ASPだとAPIとかないし)
① WebのCRMシステムに新規登録された顧客一覧を表示し、CSVにダウンロード
② そのCSVをEXCELのマクロで加工して保存
③ CSVを、クラサバの販売管理システムにインポート
こういうケースだと、Webのテストツールで自動化できるのは、①だが、RPAだと、OS上の操作全てをエミュレートできるので、①〜③全部を自動化できる。
どんなツールなのか
紹介されていたのは、以下のツールたち。
Automation Anywhere Enterprise 米オートメーション・エニウェア (日本では、日立ソリューションズが代理店) www.automationanywhere.com
BizRobo! RPAテクノロジーズ bizrobo.com
UiPath Studio/Robots/Orchestrator 米ユー・アイバス (無料で使えるのコミュニティエディションがある。商用利用は条件あり) www.uipath.com
ナイス・ロボティックオートメーション アイティフォー www.itfor.co.jp
NTTアドバンステクノロジ WinActor www.nttdata.com
なぜ急に流行りだしたのか
導入事例として紹介されているユーザーは、三菱東京UFJ、オリックスグループ、日本生命保険、リクルートコミュニケーションズなどの大手も使っている。 ただ、使い方としては、バックオフィスの人員削減および、属人化排除のためと思われる泥臭い作業ばかりだ。
やはり、1企業の中で見た場合、どうしてもシステム化するより人で対応した方が費用対効果が高い領域というのは存在する。
契約関係とか、人事総務の手続き関係とか、細かい条件によって微妙に作業が異なったりで人の判断が必要な部分。または、ルールや手順がしょっちゅう変わって、システム化に向かない部分。
そういった部分について、ここ最近の自動化の技術が成熟してきて、RPAを導入することで費用対効果が出るようになったのだろうと考察する。
もう一点あるとすれば、クラウド化の影響。ここでいうクラウドは、SaaS。
勤怠、経費精算、人事システム、CRMとかのバックオフィス系のシステムはSaaSを利用するのは当たり前になってるが、ここにきて販売管理やらの基幹系までSaaSで置き換えるケースは増えてる。
そうなると、システムが完全に分離されちゃって、EAIなんかを使用して裏側でデータ連携はできない。
APIがあれば、まだ可能性もあるけど、開発にお金かかるし、とりあえず人手で対応。って負債ができちゃうのでは。
メンテが大変そう
システムのE2Eの自動テストって、メンテが大変じゃないですか。
ちょっと画面のレイアウト変わっただけでも、全部落ちるし。
記事の中でも紹介されていたが、それはRPAも同じで、メンテしやすい構成にすることが大事と書かれていた。
また、複数のアプリをシームレスにつなぐ分、処理の単位をどう区切るかも大事だそうだ。
確かにアプリケーションごとに処理を切り出すのが簡単そうだが、
『CRMに登録された顧客の業種によって、販売管理のマスタに登録する手順が異なる』とかいう業務の場合、CRM上の顧客の属性ごとに、販売管理側も含めたシナリオを作成するとかなると、大量のシナリオを作らねばならんことになり、メンテも死ねるので、やりたくないよねぇ。
ということで、コツはありそうである。
流行るの?
流行るか、流行らんかといえば、大企業では営業事務とか、企画事務とか、○○事務って名のつく派遣の社員の人とかいるじゃないですか。ああいうとこの人数を減らすのには、効きそうですよね。
ただ、現状初期費用が数百万円なので、大企業しか導入できん。
RPAの人気が上がれば、中小企業でも導入できるパッケージが提供されるだろうが。
お金かけたくないなら、RPAなんて言葉ができる前から存在する UWSC とかで効果あるか試してみればどうか。
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